一言で頭痛と言っても様々な原因が考えられますが、その様々な原因のほとんどに共通点があります。

それは「自律神経の乱れ」です。

まず、自律神経がどんな役割をしているのかお伝えしていきます。

私たちの身体は、気温の変化や精神的ストレスなど外からの刺激に対して、体内の状態を一定に保とうとする働きがあります。この働きを担うのが「自律神経」です。内臓の働き・血圧調整・睡眠・ホルモン分泌など、身体の司令塔的働きをしています。

ところが、精神的ストレスや日々の疲労の蓄積など、身体への負担が繰り返し続くことで、自律神経が乱れてしまいます。ストレスを感じると、自律神経の乱れがどの様にして後頭部の頭痛を引き起こしてしまうのでしょうか？

人は身体に様々なストレスを感じると、自律神経が働きますが、過度のストレスに対応し続けると自律神経の乱れを引き起こしてしまいます。 自律神経の乱れにより身体は緊張状態になってしまうと血流の流れが滞り、首コリや肩コリを引き起こしてしまいます。結果的に首から肩全体の循環不良によって、後頭部への血流バランスが崩れてしまい、頭痛が起こると考えます。

実は、パソコン・スマートフォンなど頸に負担をかける姿勢が多い現代社会では、後頭部の頭痛を訴える方が多くなってきてます。この原因も自律神経の乱れが関与していると考えます。体温調節や血圧、呼吸、消化などをコントロールする自律神経は『頸（くび）』に密集していると言われているからです。

自律神経の乱れから引き起こされる症状として、主に4つ考えられます。

（１）緊張性頭痛

肩こりやストレス、精神的な緊張状態が続くことなどから後頭部周辺の筋肉が緊張し、肩から首、後頭部の筋肉が凝って血液の流れが悪くなることでおこります。

特に筋肉が少なく首の細い女性に比較的多い頭痛です。パソコンを長時間行うなど、姿勢が悪いのも大きな原因となっています。

（２）後頭神経痛

ストレスなどから後頭部の筋肉が緊張し、後頭部にある脳の神経を圧迫することによっておこる頭痛です。また天気が崩れる前など気圧の変化によっても症状が出る事もあります。

（３）偏頭痛

脳内の血管の激しい拡張により、脈の動きにあわせてズキンズキンとした痛みが数時間続きます。ストレスや疲労、寝不足や寝すぎが主な原因となります。症状が重い場合吐気を伴うこともあります。

（４）くも膜下出血

脳を覆う膜の一つ「くも膜」近くにある動脈瘤が破裂し、血管が破れて出血することが原因で、最も注意しなければならない頭痛の一つです。自律神経が血圧や血流を調整する働きを担っていますが、この自律神経が乱れ、脳血流上昇や高血圧が引き起こされると、脳にある動脈瘤の破裂を引き起こし、くも膜下出血を招くリスクの一つになる可能性があります。

※いつもと違う強い頭痛やひどい吐き気・めまいがある場合必ず病院を受診してください！　

ここで一番伝えたいは日常生活で無理なく自律神経の乱れを改善させる方法を２つお伝えします。

①お風呂でリラックス！

お風呂の時間は、身体をリラックスさせ、血流の流れもよくなり、自律神経の乱れを改善させるには効果的です。できるだけ３８～４０度くらいの、ぬるめの温度で１５分ぐらいの入浴時間が効果的です。

もちろんこの温度や時間は目安です。ご自身が「気持ちいい～」と感じる温度と時間にしましょう。ちなみにお風呂に入るのは、「食後１時間以上たった時」で「寝る１時間くらい前にお風呂から出る」というのが効果的と言われています。

②温かいタオルを目の上に置く

温めたタオルを目の上に置きタオルが冷めるまで上向きで寝ます。

目安ですが手でまずはタオルを触ってみて少し熱いなと感じる程度がオススメです。

なぜ？目なのかと言うと、目の神経は後頭部につながっているため、デスクワークなど目を酷使する事でも頭痛を引き起こしてしまう場合があります。温かいタオルを当てることで身体がリラックスし自律神経の乱れが調整されます。