ホルモンバランスの乱れによって起こる生理不順とは?

医学的には月経といいますが、堅苦しいイメージがあるため世間では生理と言われているそうです。

正常の生理ではエストロゲン、プロゲステロンの周期的変動により、子宮内膜も周期的に変化し、規則的に子宮体部から出血を起こしています。

生理不順はこれらのホルモンの分泌異常、子宮のいずれかの異常をきたした状態です。異常をきたした場合には、生理が早まったり、遅くなったりします。

ホルモン作用による子宮体部からの出血パターンは消退出血と破錠出血との2通りに分かれます。

消退出血と破錠出血

プロゲステロンの低下が最も重要な消退出血

・子宮内膜はエストロゲン作用により増殖期となり、プロゲステロンが作用することで分泌期へと変化します。

プロゲステロンやエストロゲンが急激に低下することを消退といい、これにより起こる出血が消退出血です。

・消退出血は、主としてプロゲステロンの低下によるものです。その際、エストロゲンの低下も伴うことが多いですが、エストロゲンの分泌が持続したとしても、プロゲステロンの分泌が低下すると、消退出血が起こります。

・消退出血は、排卵のある生理周期でみられる出血パターンです。ただし、ホルモン療法やゲスターゲン試験時などに、プロゲステロンを外因性に投与している場合は、無排卵ではあるが消退出血を伴います。

プロゲステロンの低下の代表例

・正常の生理

生理は正常で3~7日間持続し、20~140㎖の出血があります。

生理周期は正常で25~38日の間であり、その変動が6日以内であれば正常範囲と言われています。

・カウフマン療法施行時

ホルモン製剤のエストロゲンとプロゲストーゲンを順次投与することにより、生理周期を再現する方法です。

・経口避妊薬内服終了時

これは4週目の休薬期間にホルモンの減少によるためです。経口避妊薬は女性が避妊の目的で使用する薬剤で一般的にピルと呼ばれます。アメリカに40年の遅れをとり、1999年に日本でもようやく承認された薬剤です。従来はホルモン保有量が多く血栓症などの副作用が認められましたが、近年は避妊効果を保ちながら副作用を最小限にする低用量のもの(エストロゲン保有量が50㎍未満)が用いられています。

・ホルムストロム療法(ゲスターゲン試験)施行時

ゲスターゲン試験は、ゲスターゲン(黄体ホルモン)の投与により内因性エストロゲン(卵胞ホルモン)分泌の有無を間接的に測定することで、無月経の重症度を調べる検査です。(プロゲステロンは天然の黄体ホルモンのみを指すため、合成物質も含むゲスターゲンという名称を用います)

ゲスターゲン投与後、薬効の消失により消退出血が見られるものを第一度無月経といいます。ゲスターゲンでは消退出血が起こらず、エストロゲンとゲスターゲンの投与後、薬効の消失により消退出血をきたすものを第二度無月経といいます。それでも消退出血のないものは子宮性無月経といいます。第一度と第二度無月経の重症度判定と挙児希望の有無に基づいて治療法を決定します。

・黄体機能不全

主として黄体からのプロゲステロンの分泌不全により、黄体期の短縮、ときに機能性出血をきたします。不妊・不育、生理不順の原因になることがある。

エストロゲンの分泌がダラダラと続く破錠出血

・プロゲステロン作用がなければ、子宮内膜は分泌期内膜へと変化できず、増殖期内膜のままになります。プロゲステロンの作用がないまま、増殖した子宮内膜は維持ができず(破錠)、肥厚した子宮内膜が不規則に剥脱します。これを破錠出血といいいます。

・破錠出血は、無排卵の状態で見られる出血パターンです。

・消退出血ではプロゲステロンやエストロゲンが低下することで、血行障害が起こし、子宮内膜が壊死・剥脱します。

・一方、破錠出血では、増殖した子宮内膜を維持するための必要ならせん動脈の増殖が追い付かず、子宮内膜が壊死・剥脱します。

エストロゲン消退出血

・エストロゲンだけが急激に低下したことによって起こる出血をエストロゲン消退出血といいます。

・増殖期に卵巣摘出を行った時(急激にエストロゲンが低下する)など、限られた状況で観察される現象です。

・無排卵周期症での出血時に、エストロゲンが多少低下していることがあり、この出血がエストロゲン消退出血と誤認されることがありますが、無排卵周期症における出血は、基本的に破錠出血であって、例え出血時にエストロゲンが多少低下していたとしても、エストロゲン消退によって出血が引き起こされたわけではありません。

プロゲステロンの欠如の代表例

・無排卵周期症

生理様の出血はあるが、排卵を伴わない病態を無排卵周期症という。生理周期は不順なことが多く、生理持続期間も短かったり長かったりします。不妊の原因にもなります。

最後に

いかがでしたか?
生理不順はホルモンの乱れによるものでも2通りのパターンがあり、基礎体温や生理周期などを用いてホルモン分泌状態を見ながら、病気を知るきっかけにもなります。
ホルモンバランスの乱れは自律神経の乱れ、内臓疲労によって引き起こされます。

当院では、自律神経を乱す根本原因を検査で見つけ出し、施術を行います。

自律神経が整い身体の機能が正常に働くようになると様々な不定愁訴が軽減していきます。

自律神経の乱れによって引き起こされる生理不順でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

原因不明の痛み・不調を

自律神経を整え改善する専門整体

『ひろ接骨院 高槻院』
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参考文献

病気がみえる vol9 婦人科・乳腺外科(2016)医療情報科学研究所 編