アトピーの治療に副腎の治療は外せないポイントです。
まずは、副腎について説明します。副腎は「ホルモン」を作る仕事を担っています。
ホルモンとは、体のモードを切り替えるスイッチのような役割があります。
この副腎から分泌されるホルモンは「ストレスホルモン」と呼ばれており、
このホルモンは、その呼び名のとおりストレスを感じたときに出てくるものです。
その他にも、
・過剰な免疫を抑える。
・炎症を抑える。
といった役割も担っています。
ストレスホルモンの代表は以下のホルモンです。
・アドレナリン
・ノルアドレナリン
・コルチゾール
などがあります。
簡単に説明すると、
アドレナリン
■アドレナリンは危機、不安、恐怖、怒りの感情によって分泌され、
それら感情に身体が対応出来るよう、各臓器に指示を出します。
具体的には、血糖値を上昇させたり、心拍数や血圧を上げて血流を良くしたり、
痛覚を麻痺させるなどです。 これらストレスに対抗・反応できる身体状態を作り出すホルモンです。
ノルアドレナリン
■ノルアドレナリンはアドレナリンから作られます。
危機、不安、恐怖、怒りを感じた時に分泌されるのはアドレナリンと同じではあるが、
アドレナリンが各臓器に対して働きかけるのに対して、
ノルアドレナリンはセロトニンなどと同様、神経伝達物質として脳で作用します。
具体的には、上記ストレスに対抗できるよう、集中力、判断力、やる気、緊張などを高めます。
そのため、ノルアドレナリンの分泌量が低下すると、無気力、無関心、うつ病などの症状を引き起こします。
コルチゾール
■コルチゾールは、アドレナリン、ノルアドレナリン同様、 ストレスにさらされることにより分泌され、
各臓器に働きかけるとともに、各ホルモンの分泌バランスを調整します。
また、コルチゾールは天然のステロイドと呼ばれ、最大の特徴は、アドレナリン、ノルアドレナリンが一過性であるのに対して、
コルチゾールは蓄積していくため、正常な値に戻るのに長い時間を要することです。
そのため、ストレスを与えられていない状態でもコルチゾールレベルはなかなか下がらないため、
慢性的にストレスを与えられると、どんどん上昇し、副腎が疲弊してしまいます。
また、コルチゾール産出量が少なくなり過ぎても、エネルギーを作れず免疫力が低下するため疲労症状が出たり、
低血糖状態が続くため脳がエネルギーとして利用できるブドウ糖が少なくなり、
集中力低下、思考困難、記憶力低下などの症状が出やすくなります。
副腎疲労に注意
こんな症状ありませんか?
■疲労感が強い
- 体力減少
- 体がだるい
- ベッドから起き上がれない
■不眠症
- 目が覚める
- 寝てもスッキリしない
- 寝つきが悪い
■食の変化
- コーヒーを好む
- 脂肪分を好む
- 甘いものを好む
- 塩分を好む
■外見の変化
- 脂肪増加
- 筋肉減少
- むくみ
- 目の下の腫れ
- 肌の乾燥
- 体重の急激な変化
■血流
- 高血圧
- 低血圧
- 震え、動悸
■その他 •免疫力の低下
- 太陽が眩しい
- 頻尿
- 冷え性
- めまい
- 体の痛み(関節、背中など)
上記の症状にいくつも当てはまった方は、副腎疲労が過剰になっているかもしれません。
ストレスの影響とは・・・
人はストレスがかかると、自律神経が交感神経優位になり、血液の流れが変化します。
内臓に回っていた血液が、脳に回って頭の回転を早くして、より情報処理を早くできるようにします。
また、脳以外にも手足に血液が回るようになり、体を動ける状態に切り替えてくれます。
こうして体の状態が、その自分の身を守るために神経のスイッチが切り替わります。
この切り替えをやってくれているのが、「アドレナリン」や「コルチゾール」になんです。
身の危険が迫ると、副腎が働きはじめて、体中に「アドレナリン」や「コルチゾール」を放出して、
戦闘モードに切り替わります。
ストレスとアトピーの関係とは?
ストレスが過剰にかかると副腎は刺激され、ストレスホルモンを分泌します。
そうなることによって内臓に血液が回りきらず、胃腸の消化吸収も悪くなり、
免疫もその力を十分に発揮できません。
胃腸などの働きが悪くなって、免疫も低下すれば、細菌やウィルスなどへの抵抗力が落ちます。
特にアトピーの方は、胃腸が弱い場合が多いですが、それに輪をかけて胃腸の機能が低下して、
それが起因となって腸内環境が悪化しますので、アレルギーが悪化します。
副腎は、危険があった時にその仕事をするように作られているので、長時間働き続けることができません。
ストレスの影響を受け続けていると、副腎は疲労してしまい、副腎が本来の機能を発揮していれば、
副腎から出る天然のステロイドによって、免疫の過剰な働きなど抑え、アレルギー体質があったとしても、
症状は前面に出てくることはありません。ですので、副腎が充分に機能しないと、
炎症を抑えることが出来なくなり、アトピーの症状は悪化します。
なので、副腎がしっかり機能し、正常な免疫状態でいれるということが、痒みを抑えて、
アトピーを治していく点で、とても重要になってきます。
食事や日常生活のポイント
副腎の機能を回復させる為には「ビタミンC」が効果的といわれています。
ビタミンCは、水溶性のビタミンになるので、数時間で尿として排出されてしまうので、
体内に溜めておくことが出来ません。ですので、毎日の食事からきちんと取るようにしましょう。
また、マグネシウムも抗ストレス作用があるので、積極的にとった方が良いでしょう。
副腎疲労をやわらげるビタミンB2、ステロイドホルモンの産生を助けるナイアシン、パントテン酸など、
ビタミンB群もとても大切です。
ちなみに、ビタミンCは「レモン」や「アセロラ」、「ピーマン」などに多く含まれています。
マグネシウムは、「にがり」に多く含まれているので、精製された塩ではなく、
天然の塩を摂取することが大切です。
あと大切なことは、心身ともにリラックスする時間を多くとることです。
副腎はストレスに晒されすぎると、疲弊して次第に機能が低下してしまうことは上記で説明しました。
なので、ストレスといった緊張状態を持続させないように、
意図的にリラックスする習慣を取り入れるのが、有効的です。
例えば、
・夜はシャワーではなく、必ずお風呂に入り、交感神経を休ませる。
・音楽や読書、趣味など自分がリラックスできる時間を多くとる。
などを生活の中に取り入れていくと、徐々に変わってくると思います。
以上が、副腎の疲労とアトピー悪化の関係の説明でした。
症状について詳しくはこちら
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