質の良い睡眠をとるためには、今の自分の睡眠がどういう状態なのかを知る必要があります。自分は十分に寝ていると思っていても実は「隠れ不眠」だったというケースは珍しくありません。日常生活で「えっ？それが普通じゃないの？」ということも実は不眠を訴える体からのサインの可能性があります。今回は、世界保健機関（WHO）が中心となって作成した睡眠評価法「アテネ不眠尺度」であなたの睡眠の度合を調べてみましょう。

アテネ不眠尺度は、２０００年に世界保健機関（WHO）が中心となって作られました。

以下の８項目で過去１ヶ月間に、少なくとも週３回以上経験したものを選んでください。

そして、各選択肢についている点数を合計してください。

問1．寝床についてから実際に眠るまで、どのくらいの時間がかかりましたか？
いつも寝つきはよい……0
いつもより少し時間がかかった……1
いつもよりかなり時間がかかった……2
いつもより非常に時間がかかった、あるいは全く眠れなかった……3

問2．夜間、睡眠の途中で目が覚めましたか？
問題になるほどのことはなかった……0
少し困ることがある……1
かなり困っている……2
深刻な状態、あるいは全く眠れなかった……3

問3．希望する起床時刻より早く目覚めて、それ以降、眠れないことはありましたか？
そのようなことはなかった……0
少し早かった……1
かなり早かった……2
非常に早かった、あるいは全く眠れなかった……3

問4．夜の眠りや昼寝も合わせて、睡眠時間は足りていましたか？
十分である……0
少し足りない……1
かなり足りない……2
全く足りない、あるいは全く眠れなかった……3

問5．全体的な睡眠の質について、どう感じていますか？
満足している……0
少し不満である……1
かなり不満である……2
非常に不満である、あるいは全く眠れなかった……3

問6．日中の気分は、いかがでしたか？
いつもどおり……0
少し落ち込んだ……1
かなり落ち込んだ……2
非常に落ち込んだ……3

問7．日中の身体的および精神的な活動の状態は、いかがでしたか？
いつもどおり……0
少し低下した……1
かなり低下した……2
非常に低下した……3

問8．日中の眠気はありましたか？
全くなかった……0
少しあった……1
かなりあった……2
激しかった……3

総得点が4点未満の人は、

比較的に睡眠がとれています。現在の睡眠に対してなんらかな不満があるのであれば、食習慣の見直しや日常生活の中で睡眠を阻害する因子が多くないかチェックしてみてください。当院にご相談いただければアドバイスさせて頂きますよ！

4～5点の方は、

不眠症の疑いが少しあります。この点数の方は、不眠という自覚がない方が多く、生活習慣の見直しで症状の悪化を防ぐことできます。まずは、「朝日を浴びるようにする」などの毎日できるような快眠習慣を取り入れて生活リズムを安定させることがオススメです。
総得点が6点以上の方は、

不眠症の可能性が高いです。現段階で体調や精神的に不快に感じていなくても、この状態が継続するのであれば、生活習慣から変えていく必要があると思います。特にストレスの蓄積は、心身ともにエネルギーを消費し、体にダメージを与えます。これをきっかけに見直してあげてください。睡眠時間から見ると体が疲弊し、筋肉の痛みやだるさ、頭痛、めまいなどを引き起こす可能性もあるので症状が起こる前に予防しましょう。

いかがでしたか？

世界的基準である「アテネ不眠尺度」ですが、あくまでも基準です。

点数が低いからと言って不眠症になっていないということではありません。

逆に点数が高く不眠傾向だとしても深刻になりすぎる必要もありません、

大切なことは、今の自分の状態がどういう状態なのか知ることです。

知れば、対策を考えることができます。症状が起こる前であれば予防できます。

症状が起こっているのであれば、改善していくヒントになります。

こんな時だからこそ、あなたの体はあなたが守ってあげてください。

私たちは、全力でそのお手伝いをします。