毎年、春が近づいてくると、花粉症に苦しむ方の声が増えてきます。
その年、その年によって花粉の量も異なり、その季節によって症状の出現も個人差です。
花粉症だけでなく、アレルギーに関する悩みは、今や社会問題にすらなっています。
今回は、社会問題とまで言われるアレルギーの背景と、今から続出する花粉の影響をお話しします。
身近なアレルギー疾患は、なんといっても花粉症ではないでしょうか?
症状やその度合いは個人差がありますが、主に目のかゆみ・鼻水・くしゃみなどの症状が挙げられます。
この花粉症に伴う医療費は、年間莫大な費用がかかっています。そして、経済への影響として、花粉により外出する回数が減ったり、体調不良による会社の欠勤、目のかゆみ・鼻水などの影響による仕事効率や集中力の低下によって数千億もの損失があると言われています。
では、なぜここまで花粉の影響が強くなり、年々体への被害が増えているのでしょうか?その理由として、以下の事が考えられます。
・衛生環境の変化
・化学物質の影響
・免疫力の低下
アレルギーと聞くと、花粉症やアトピーを思いつく方も少なくないと思います。
しかし、アレルギー疾患は多数存在し、有名なものであれば、
・アトピー性皮膚炎
・喘息
・食物アレルギー
・鼻炎
・結膜炎
・化学物質アレルギー
・寒暖アレルギー
などがあります。
花粉症状を悪化させる要因
花粉によって起きる、くしゃみ、鼻水、鼻づまりや目のかゆみ、充血、異物感といったアレルギー症状は年々悪化していますが、その要因はなんでしょうか??
花粉の飛散数が多いと発症が多くなるイメージがあるかもしれませんが、それだけではありません。そこには衛生状態、食事の内容、大気汚染物質などいくつもの要因が関与している可能性があります。
たとえば大気汚染物質と花粉症との関係が取り上げられていて、交通量の多い杉並木沿いと、交通量の少ない山間部を比較すると、花粉の量だけでは山間部の方が多くみられますが、交通量の多い都市部の方が花粉症の発症頻度が高い傾向にあることがわかっています。
これは、大気中の汚染物質が深く関わっています。
なぜ、こんなにもアレルギーが増えているのか・・・
20~30年前では、花粉を吸いこんだとしても、犬・猫やダニと違い、アレルギー症状は引き起こさないものと考えられていました。しかし、ここ最近では花粉での症状を訴える方が急増しているのです。
花粉は昔から日本に生育しています。しかし、なぜ私たちの体は花粉にたいしてこれほどまで過敏になってしまったのでしょうか??
様々な可能性がありますが、一つの大きな要因は花粉に付着したか化学物質が関係していると考えられています。スギ花粉単体であればアレルギーを誘発する要因としては可能性が低くなりますが、花粉が都市部で浮遊している間に大気中の様々な化学物質を吸着させて汚れた花粉化合物が完成します。それがアレルギーを起こしやすくなった一つの説だと考えられています。
その他の要因でも化学物質が関わっていて、大気中の化学物質を吸入することによって鼻腔内の環境が変わり、発症に関与しているのではないかという考えもあります。
そして、ここ最近になって認知されてきている
PM2.5や黄砂の影響も知っておいてほしいことです。
そもそも、よく聞くけどPM2.5や黄砂って何なん?っていう方も多いのではないでしょうか・・・
PM2.5と黄砂
【PM2.5】
大気中に浮遊している直径2.5㎛以下の小さな粒子です。PMとは粒子状物質(ParticulateMatter)
のことで、工場や自動車、船舶、航空機などから排出された粉じんや、硫黄酸化物などの大気汚染に
つながる粒子状の物質のことを言います。
組成は、炭素・硫酸アンモニウム・硝酸アンモニウム・鉄・亜鉛・アルミニウム
主な発生源は大きく二種類に分かれ、
①物の燃焼などによって直接発生する
・ボイラー、焼却炉(ばい煙)
・鉱物の堆積場(粉じん、細かい塵)
・自動車、船舶、航空機
・土壌、海洋、火山の噴煙
・喫煙や調理、ストーブの使用
②様々な物質の大気中での化学反応によって生成される
・火力発電所、工場、事業所、自動車、船舶、航空機などから
燃料の燃焼によって排出される硫黄酸化物、窒素酸化物
・溶剤や塗料の使用時、石油取扱施設からの蒸発、森林などから
排出される揮発性有機化合物
これらのガス状物質が大気中で光やオゾンと反応し、PN2.5が生成されます。
【黄砂】
黄砂とは、ユーラシア大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原など感想・半乾燥地域で強風によって発生する砂塵嵐(さじんあらし)によって上空に巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風にのって中国・韓国・日本などに平井し、大気中に浮遊したり降下する現象のことを言います。
黄砂は本来自然現象として認識されてきましたが、近年で黄砂の頻度と被害が増え続けています。その背景には、森林の減少や土地の劣化、そして砂漠化といった人為的影響による環境問題に注目が集まっています。
黄砂の組成は、石英・長石・雲母・緑泥岩・カオリナイト・方解石・石膏などでです。ちなみに黄砂に含まれる粒子で2.5㎛以下のものであればPM2.5にカウントされます。
体への影響
毎年、春先になると偏西風に乗って飛んでくる黄砂ですが、だいたい2~5月に飛んできます。ピークは4月頃になります。なぜこの時期かというと砂漠地帯の積雪や凍土が溶けて黄砂が風に巻き上げられて日本に飛来します。6月になり影響が少なくなるのは雨が降り、草が生えることによって黄砂が発生しにくくなるためです。
また、PM2.5は1年を通して計測されています。発生源は中国からだけではなく国内にもあるからですが、3月の今の時期から5月にかけては最も濃度が上昇します。そのため計測はされますが、8月から秋にかけては比較的低い濃度が計測されます。
PM2.5は特に粒子の大きさが非常に小さいので、肺の奥深くまで入り込みやすいといわれており、そのため喘息や気管支炎などの呼吸器疾患や循環器系疾患のリスクを上昇させると考えられています。呼吸器・循環器の症状をもっているご年配の方、子どもなどは影響を受けやすいので注意が必要です。
では、どうすればこの影響を防ぐことができるのか・・・
正直なところ完全に防ぎきることは非常に難しいです。しかし、その中でもできることはあります。少しでも健康被害を少なくするためにも対策を知って下さい。
【喚起する時間帯を考える】
特に春になると、気候も過ごしやすくなり、風通しを良くするために窓を開ける機械が増えます。たしかに風が入ると気持ちが良いですし、空気の入れ替えもとても大切です。しかし、朝陽が昇ると花粉やPM2.5の濃度は上昇します。必要以上の喚起をさけ、深夜から明朝にかけておこなうのがベストといわれています。
【マスクを着用する】
マスクを着用するだけでも、防げる粒子があります。マスクの種類によっては吸入防止効果には差があるため全てのマスクがPM2.5のような微粒子を捕集できるわけではありません。ただ正しく着用するポイントとして、顔の大きさにあったものや空気がもれないように着用するのが理想です。どのような規格のマスクであっても粘膜を保湿し、乾燥を防ぐことも重要な対策になるので、着用するメリットはあります。
【免疫力を上げる】
この時期は、胃腸の調子が崩れやすく、腸内環境が崩れると体内の免疫は低下傾向になります。するとアレルギー症状を引き起こす可能性が高くなるためこの時期はお腹の調子には気をつけてあげる必要があります。
特に時期的な要因だけでなく、交感神経が過剰に亢進した状態が続くと内臓への血流が悪くなり、消化吸収機能が低下して腸内環境のバランスが崩れてしまいます。
まとめ
いかがでしたか?
昔から、私たちは花粉などのアレルギー物質と共存してきました。もともと体に害となる要素は少なかったが、負担となる物質に変えたのも、免疫力が低下し、アレルギーを引き起こしやすくなったのも、私たちの生活環境から起こるものです。
じゃあ、今の生活を変えないとツラい症状はおさまらないのか・・・というわけではありません。
まずは、気をつけれることから気をつけること。
当たり前ですが、これが簡単なようで難しい・・・
まったく無関心なのも違うかもしれませんが、過敏に意識しすぎるのもかえってよくありません。今できる事をできる限りで実践していく、これで十分だと考えています。
花粉もなかなか見づらいものではありますが、これがウイルスともなると肉眼では検知できません。では、できることは負けない体づくりです。
私たちは、そんなみなさんの日々の健康を根本からサポートしています。
こんな時期・時代だからこそ、できることはたくさんあります。ぜひ私たちにご相談ください。
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